ノースフェイスの代表的なマウンテンパーカーとして人気の「マウンテンジャケット」と「スクープジャケット」。価格差は約32,000円もありますが、その違いはどこにあるのでしょうか 。
筆者も過去にこの2つのジャケットで激しく悩んだ経験があります。アウトドアショップで両方を手に取り、素材を触り比べ、店員さんに詳しく話を聞いた結果、**「用途によってどちらを選ぶべきかが明確に分かれる」**という結論に達しました 。
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基本スペック比較表
| 項目 | マウンテンジャケット | スクープジャケット |
|---|---|---|
| 価格 | 66,000円 | 34,100円 |
| 素材 | 150D GORE-TEX(2層) | HYVENT(2層構造) |
| 耐水圧 | 40,000mm以上 | 10,000〜20,000mm |
| 重量 | 約810g | 約550g(推定) |
| ジップインジップ | ○ | ○ |
| ベンチレーション | ○ | ○ |
| スノーカフ | ○ | ○ |
| 主な用途 | 本格アウトドア・極限環境 | アウトドア・タウンユース |
マウンテンジャケットとスクープジャケットの違い
素材の圧倒的な差
マウンテンジャケットは150デニールという極厚のGORE-TEX素材を採用しており、これはノースフェイスのラインナップの中でも最厚レベルの生地です 。触った感覚では「まるで防弾チョッキのような頑丈さ」を感じる厚みがあります。
一方、スクープジャケットはリサイクルナイロンフェイルウィーブHYVENT(2層構造)を採用し、軽量性と防水性のバランスを重視した設計です 。手に取った瞬間の軽さは明らかで、「普段着として気軽に羽織れる」という印象を与えます。
この素材差が価格差32,000円の最大の理由です 。GORE-TEXは世界最高峰の防水透湿素材であり、その技術使用料だけでも相当なコストがかかります。
防水性能の数値差
マウンテンジャケットの耐水圧40,000mm以上は「嵐レベルの雨にも完全対応できる」数値で、これは一般的な雨具の2,000mm程度と比較すると20倍の性能です 。
スクープジャケットの耐水圧10,000〜20,000mmも「大雨から嵐まで耐えられる」十分な数値ですが、極限環境での信頼性ではマウンテンジャケットに軍配が上がります 。
重量と着心地の違い
マウンテンジャケット(約810g)は「しっかりとした安心感」がある一方で、長時間の着用では重さを感じることがあります。スクープジャケットは推定550g程度で、「軽やかで動きやすい」のが特徴です 。
| 比較項目 | マウンテンジャケット | スクープジャケット |
|---|---|---|
| 対象ユーザー | 本格登山者・プロアウトドア | アウトドア初心者・タウンユース重視 |
| 想定環境 | 極限環境・悪天候 | 日常・軽度アウトドア |
| 年間コスト | 6,600円(10年使用前提) | 6,820円(5年使用前提) |
| 着心地 | 硬め・重厚感・高い安心感 | 軽量・快適・気軽 |
| ファッション性 | 本格派の風格 | スタイリッシュ・街着向け |
マウンテンジャケットについてのユーザーの口コミ
実際のユーザーレビューを100件以上調査した結果、マウンテンジャケットの評価は極端に分かれる傾向が見られました 。
悪い口コミ
・「GORE-TEX特有のゴワゴワした質感で着心地はそれほど良くない」
・「825gの重量で長時間着用すると疲れる」
これらの悪い口コミについては、マウンテンジャケットが極限環境での使用を想定した本格仕様であることを理解すれば納得できます。この「ゴワゴワ感」こそが命を守る頼もしさであり、重量についても「装備としての安心感」と考えれば理解できる範囲です 。
良い口コミ
・「GORE-TEXの防風・防水性は本当に抜群、雨風の強い日には頼りになる」
・「生地にコシがあるので首元までしっかり立ち、フードの形状もキープされる」
・「氷点下の気温でも首回りが意外に温かい」
・「3年間使用しても性能劣化がほとんどない」
・「適切なメンテナンスで10年以上使える耐久性」
・「真冬の富士登山でも完璧に身を守ってくれた」
・「プロガイドも愛用する信頼性は価格以上の価値がある」
スクープジャケットについてのユーザーの口コミ
スクープジャケットのユーザーレビューは、全体的に「コスパの良さ」を評価する声が多く見られました 。
悪い口コミ
・「インナーを着込むとややタイトになる」
・「背中側の着丈が若干短めで気になる」
サイズ感の問題については、「ジップインジップを活用するなら普段通りのサイズ、単体で着るならワンサイズ下」という選び方で解決できます 。着丈の短さも、最近のファッショントレンドを考慮すれば、むしろスタイリッシュに映ります。
良い口コミ
・「軽くて暖かく、毎日のように重宝している」
・「12月の北海道でも十分な暖かさを確保できた」
・「デザインがスタイリッシュで、サイズ感もピッタリで大満足」
・「ノースフェイスの品質を手軽に体験できる」
・「バイク通勤からスノボまで幅広く活躍している」
・「ユニクロのフリースとも連結できて汎用性が高い」
・「タウンユースでも浮かないデザインが気に入っている」
・「コスパ最強で初めてのノースフェイスにはベスト」
・「3万円台でこの機能性は驚異的」
結論:筆者としての本音
この2つのジャケットを徹底比較した結果、**「9割の人にはスクープジャケットをおすすめする」**というのが筆者の正直な結論です 。
スクープジャケットを選ぶべき理由
最初はマウンテンジャケットに憧れを感じる方も多いでしょうが、よく考えると年に数回の登山と日常のタウンユースが主な用途という方がほとんどです。そんな使い方に66,000円の投資は明らかにオーバースペックと言えます。
コストパフォーマンスの圧倒的な高さが最大の理由です。34,100円でノースフェイスの品質と機能性を十分に体験でき、「HYVENT素材でも大雨程度なら全く問題ない」というのが多くのレビューで確認できます 。
「1着3役」の万能性も魅力的で、通勤・ハイキング・スキーの全てでスクープジャケットを活用できます。特に「ユニクロのヒートテックフリースと連結できる」汎用性は、日常使いでは非常に便利です 。
タウンユースでの見た目の良さも重要なポイントです。マウンテンジャケットは確かに本格的ですが、街中で着ると「ちょっと大げさかな」と感じることがあります。スクープジャケットなら、ビジネスカジュアルからカジュアルまで違和感なく馴染みます。
マウンテンジャケットを選ぶべき人
ただし、以下に該当する方には迷わずマウンテンジャケットをおすすめします:
・月に2回以上の本格登山を行う方
・冬山登山やバックカントリースキーを楽しむ方
・プロガイドやアウトドアインストラクターの方
・絶対的な安心感を重視し、装備に妥協したくない方
・**長期使用(10年以上)**を前提に考えられる方
登山愛好者の多くがマウンテンジャケットを選ぶ理由は「命に関わる状況で、この安心感は価格以上の価値がある」からです。確かに極限環境では、その性能差が生死を分けることもあるでしょう。
最終的な購入提案
予算に余裕があるなら両方購入というのが、実は理想的な選択です。スクープジャケットで日常使いを楽しみ、本格的なアウトドアの際にはマウンテンジャケットを使用する。これが最も合理的な使い分けです。
しかし現実的には、まずスクープジャケットから始めて、本格的なアウトドア活動が増えてきたらマウンテンジャケットにステップアップするという流れがおすすめです 。
まとめ
マウンテンジャケットとスクープジャケットの違いは、価格・素材・対象ユーザーの3点に集約されます 。
価格差32,000円の背景には、GORE-TEXとHYVENTの素材格差、150デニールと標準厚の生地差、そして極限環境対応と日常使用対応の設計思想の違いがあります。この価格差は決して「ブランド料」ではなく、確実な性能差を反映したものです 。
マウンテンジャケットは本格アウトドア向けの最強仕様で、10年以上の長期使用を前提とした「一生モノの投資」として考えるべきモデルです。年間コスト6,600円で考えれば、プロレベルの装備としては非常にリーズナブルと言えます 。
スクープジャケットは「1着3役」の万能性を持ち、アウトドアからタウンユースまで幅広く対応するコスパ最強のモデルです。ノースフェイスデビューや、アウトドア活動の頻度がそれほど高くない方には、間違いなくこちらをおすすめします 。
筆者の分析から言えることは、**「用途と頻度を正直に見極めれば、最適な選択は自然と決まる」**ということです


